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賢治「どんぐりと山猫」の朗読
 仙台のNPO法人「シニアのための市民ネットワーク仙台」の朗読グループ「注文の多い料理店」は、10月10日に、今年も発表会を行います。露伴や漱石、竜之介の作品とともに、今年は賢治の代表作で、生前に刊行された唯一の童話集、『注文の多い料理店』の巻頭を飾る「どんぐりと山猫」を朗読することにしました。
 4人で群読しますが、小生の割り当ては、山猫と山猫の別当役です。ご存知の方も多いでしょうが、この童話は裁判の話しで、いわば裁判長が山猫、「一郎」なる農民が、裁判に急に呼び出されて参加する、今日の「裁判員」、原告と被告がとり混ぜて「どんぐり」達、という事になります。

 賢治の童話は、動物の姿をかりて、世相を批判する類が多い、一種の寓話でしょうが、非常に示唆に富んだ作品です。
 一般に、この作品は、「差別を超越し、平等を求める賢治の思想の一環が提示されている」などと紹介されています。とくにさまざまな形をした「どんぐり」が、お互いに自己主張して、裁判が難航する。それに対して、一郎が「いちばんばかで、めちゃくちゃで、まるでなっていないようなのが、一番えらいとね。」と判決して収めるのです。ここには、賢治の「アメニモマケズ」の木偶の坊に通ずる考えがある、と解釈する人もいます。

 ただ、朗読の練習をしながら、賢治は今日の「裁判員制度」を予想し、それを皮肉な目で批判しているのではないかと思いました。司法も三権のひとつで国家権力、山猫裁判官も冤罪問題など、判決に自信を失い、裁判員として農民の一郎に参加させる。一郎も喜んで参加、しかし謝礼の手当てにもらった「金のどんぐり」、家に帰ってくると、「一郎は自分のうちの前に、どんぐりを入れたますを持って立っていました。」

 国家権力に厳しい批判の目を向けていた賢治は、権力の裁判に皮肉な批判を込めて童話を書いたのではないか?権力への参加の限界を、賢治は厳しい目で見ていた。それは、今日の裁判員制度にも言えそうですね。賢治先生、新しい童話を書いてみて下さいませんか。

なお、発表会とは別に、9月21日に花巻のイーハトヴ館で、「どんぐりと山猫」朗読の予定です。

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by kenjitomorris | 2009-08-24 22:34
仙台・七夕の「銀河鉄道の夜」
 NPO法人シニアネット仙台の七夕飾り、今年は「銀河鉄道の夜」でした。この飾り付けの下で、仙台の伝統の「スズメ踊り」が行われました。

 「竹にスズメ」、モリスさん新しいデザインのテーマに如何でしょう?

 賢治先生、このテーマで、新しい童話を書いて下さい。

 この写真、シニアネット会員のセミプロ写真家、Nさんの作品です。a0063220_21291440.jpg
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by kenjitomorris | 2009-08-13 21:32
「賢治とモリスの館」仙台・七夕に参加しました。
a0063220_21503259.jpg 今年の仙台七夕、梅雨明け宣言もないまま、梅雨空の下で終わりました。と同時に、各地に被害をもたらした台風9号が襲来、もう台風シーズンです。日本の夏は何処へ行ったのでしょう?田んぼは、出穂を向かえたのに、この天気では作柄が心配です。「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」賢治は何を考えるでしょうか?

 朗読グループ「注文の多い料理店」が所属するNPO法人シニアネット仙台、例年どおり仙台・七夕に参加し、東一番町に3本の竹飾りを出しました。今年の飾りつけが、賢治の「銀河鉄道の夜」、不況で企業からの寄付が少ないこともあり、わが「賢治とモリスの館」が寄付をして、飾り付けに参加させてもらいました。

 参加の皆さんの願い事を書いた短冊を、「銀河鉄道の夜」の列車に載せて、夢の国に運ぶ。米オバマ大統領の核兵器廃絶の願いも、一緒に載せて貰いました。
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by kenjitomorris | 2009-08-12 22:06
「館」所蔵のモリスのケルムスコット版
 8月に入りましたが、仙台・作並まだ梅雨が明けません。今日から仙台・七夕なのに、梅雨空ではお星さまも可哀想です。
 
 昨年の京都、今年になって東京上野の都美術館、そのあと名古屋に巡回していたアーツ&クラフツ展、モリスに始まり日本の民芸運動まで、とても大きな話題になったと思います。
 作並の「館」にお出かけの皆さんも、沢山の方がアーツ&クラフツ展をご覧になったようです。ご来館の節、皆さん話題にしておられます。

 展示会に出品されていたモリスのケルムスコット版、ウィルフリッド・スコーイン・ブラント著『プロテウスの恋愛叙事詩と歌』が、「館」にもあって、皆さんにご覧頂いております。

 モリスは、本を集めるのが好きでしたが、1891年初め、ロンドンのハマースミスの自宅近くに印刷所を作り、そこで美しい本作りをはじめました。印刷屋兼出版社でしょうが、そこで出したのがモリスの政治仲間で友人のブラントの著作です。大きな赤色の頭文字が特徴です。
 この本、1892年2月27日発行、300部でした。上野で展示されたのはロンドンのV&A美術館の所蔵、「館」のものも300部のうちの1冊です。100年以上経過して、いま世界に何冊残っているか解りませんが、貴重な本です。

 いずれ「館」の蔵書のリストを準備したいと思います。

 なお、先日「第10回グスコーブドリの大学校」が開かれ、賢治の「農民芸術概論綱要」が取り上げられました。講師として、森 三紗さんが「農民芸術概論綱要を読み解く~宮沢賢治がめざした理想郷~」を講演され、その際、賢治がモリスの「芸術と民主主義」(のちに「金権政治下の芸術」に改題)から引用していたART
IS MAN'S EXPRESSION OF HIS JOY IN LABOUR の原文を、「館」のモリス著作集から紹介して頂きました。こうした形でお役に立って心から喜んでおります。これからも、皆さん共通の図書室として、ご利用ください。なお森さん、賢治の親友、故森荘巳池さんの娘さんで、賢治研究家です。
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by kenjitomorris | 2009-08-06 15:16



賢治とモリスの館 - 最新情報
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